頑固なコリや痛み~筋肉の拘縮の悪循環
長く続いていて、なかなか良くならない肩こり、腰痛、膝痛などは「筋肉の拘縮の悪循環」が起きている場合があります。
筋肉は縮むことで関節を動かし、運動します。ところが、筋肉の拘縮 (筋肉が縮んだまま元に戻れない状態) が起こると、関節を伸ばしにくく (筋肉を伸ばしにくく) なり、伸ばそうとすると、痛み を感じたり つれる感じ などが起こります。
筋肉の拘縮が起こると、そこを通る血管が圧迫され血行不良が起こります。
すると筋肉に必要な栄養素や酸素が充分に供給されず、痛みを起こす物質が発生します。
血行不良が起こると、リンパ液の流れも悪くなり、老廃物が滞積し、これも痛みの原因となります。
痛みを感じると、筋肉を伸ばす事がより一層困難になり、伸ばされない筋肉は拘縮が強まり、さらに血管を圧迫してしまいます。
筋肉の縮んだ状態が続くと、筋肉を包んでいる筋膜も縮んだまま伸びにくくなり、その中の筋肉が伸びるのを阻止してしまいます。
これが「筋肉の拘縮の悪循環」です。
1) 筋肉が拘縮する。
2) 拘縮した筋肉が血管を圧迫し、血液やリンパ液の流れが悪くなり、筋肉への栄養の運搬や老廃物の搬出が滞り、痛みの原因になる。
3) 筋肉が動かしにくくなり、動かすと痛むので、動かさなくなる。
1) 動かない筋肉は、さらに拘縮する。
筋肉が拘縮する原因
は、主に4つあります。
1.運動不足
2.過労
3.冷え
4.精神的なショックやストレス
筋肉は適度に動くことにより、血液の順調な流れが維持されます。
人間には、体を動かすための筋肉=「骨格筋」 が約400あります。
日常生活でこの約400の「骨格筋」を、まんべんなく、適度に動かすことは、とても難しいことです。
現代の生活様式では、仕事や家事で特定の姿勢が続いたり、特定の動きが繰り返されたりする場合が多く、全身の筋肉をバランスよく活動させることは難しいです。
特定の姿勢が続くと、ある筋肉は縮んだままで、また別の筋肉は伸びたままの状態が続きます。
特定の動きが繰り返されると、ある筋肉は動き続け (過労)、その他の筋肉は動きません (運動不足)。
例えば ウォーキング では、約200の筋肉が使われると言われています。
ですから適度な ウォーキング は、好ましい運動です。
ですが ウォーキング でも、筋肉によって使われる度合いは様々です。
激しく使われた筋肉は、過労の状態で、拘縮が起こります。
ですから、ストレッチ や ほぐす などのケアが必要です。
姿勢の矯正
現代の生活で、筋肉を良い状態に保つことは難しいことです。
現代は、「筋肉に ルーティーン・ワーク が強いられている。」と言えます。
そのため、ある筋肉は拘縮した状態が続き、別の筋肉は伸びた状態が続きます。
その結果、骨格が歪み姿勢が悪くなります。
この悪い姿勢こそが、頑固な肩こり、腰痛、膝痛などの原因で、
悪い姿勢 (猫背 反り腰 など) こそが「筋肉の拘縮の悪循環」が起きている状態です。
ですから、姿勢を正しくする、すなわち 「姿勢の矯正」 が頑固な肩こり、腰痛、膝痛などの根本的な解決となります。
正しい姿勢になるためには、まず拘縮している筋肉をほぐして伸ばし、伸びて縮みにくくなっている筋肉を運動などで刺激して、縮む力を取り戻すことが必要です。
拘縮している筋肉を緩めるためには、ストレッチや運動が有効です。
ですが拘縮が強く、自力で緩めることが難しい場合、整体やマッサージなど他の人の技術を利用することも必要です。
ピラティス
姿勢が悪いときは、まず「筋肉の拘縮の悪循環」を解決します。
その次に注目するのは 「コア」 と呼ばれる四つの筋肉です。
腹横筋 多裂筋 骨盤底筋群 横隔膜
これら四つの筋肉、即ち「コア」がきちんと働けることが、
正しい姿勢になるための必要最低条件です。
ですがこれらは深層筋なので、意識的に働かせて鍛えることは難しいです。
「コア」 を鍛え、姿勢を正しくするのに有効な エクササイズ が 「ピラティス」です。
「ピラティス」は、
ピラティス特有の方法で呼吸することで、「コア」 を働かせながら
正しい姿勢で運動して
「コア」 を鍛えることができます。
「ピラティス」は、
小さな動きを神経を集中して行うことで
筋肉の働きを取り戻すことができます。
「ピラティス」 は、「コア」 と 他の骨格筋 をバランス良く鍛え、
正しい姿勢になることができるエクササイズです。