ピラティス の 要
*ピラティスは 正しい姿勢で行います
長い間の習慣や癖で、骨格が歪み、筋肉のコンディションやバランスが悪くなっていると、正しい姿勢になることは難しいです。
ピラティスは様々な方法で筋肉をほぐし、関節をゆるめて、歪みを修正します。
正しい姿勢で、コアの筋肉を起動し体幹を安定させて、運動します。
*ピラティスは 深い呼吸をします。
ラテラル胸式呼吸により横隔膜を大きく動かし、肺のすみずみまで空気を満たし、たくさんの酸素を取り入れて運動します。
充分な酸素で全身の細胞が活性化します。
横隔膜が大きく動くと腹筋が強化されます。
また、肺の萎縮が改善されます。
*ピラティスの真髄 胸式ラテラル呼吸
一般的な腹式呼吸では、吸う息によって肺がふくらみ、ふくらんだ肺が横隔膜を押し下げ、お腹がふくらみます。
一般的な胸式呼吸では、腹筋を働かせて、吸う息でお腹がふくらむのを阻止するので、肺は上方向にふくらんで、肩が上がります。
ピラティスの胸式ラテラル呼吸は、腹筋を働かせて腹圧をかけ、終始お腹がふくらまない状態を保ちます。
息を吸う時は、肋骨を前後左右の水平方向( ラテラル )にふくらませて、肩が上がらないようにコントロールします。
息を吐くときは、さらに腹圧を高めて、ウェストラインを腹部の中心へ引き込むように意識し、さらには、腹腔全体を腹腔の中心へと引き込むように意識します。
つまり、コアの筋肉の骨盤底筋群、腹横筋、横隔膜を強く働かせます。
この時は、腹斜筋も強く働きます。
また息を吐くときは、ウェストを前後左右から締め、肋骨と腹腔を水平方向( ラテラル )に縮めて、腹腔が垂直方向に縮まないよう、お腹を縦長に伸ばして、背骨を長くするように意識します。
コアのもうひとつの筋肉である多裂筋は、肋骨や腹腔の動きに影響されて背骨が動いてしまうのを阻止するように働き、正しい姿勢が崩れないようにしています。
つまり、ピラティスの胸式ラテラル呼吸は、呼吸するだけでインナーマッスルであるコアの四つ筋肉と、腹斜筋を強く働かせるので、ダイエット効果があります。
アウターマッスルは起動してから20分経たないと脂肪燃焼が始まらないのに対し、インナーマッスルは起動と同時に脂肪燃焼が始まるので、ダイエット効果は高いです。
胸式ラテラル呼吸は、コアの筋肉が働き、強化されるので、正しい姿勢になります。
また胸式ラテラル呼吸は、副交感神経の働きを高めるので、精神が安定します。
胸式ラテラル呼吸は、心身ともに健康へと導いてくれます。
ピラティスで最も重要で、最も難しいのが 胸式ラテラル呼吸です。
実際に指導を受けなければ、マスターすることは難しいです。
*ピラティスは コアを働かせます
ピラティスは運動する時、コアの筋肉を働かせて、体幹を安定させます。
体幹が安定した状態で、ひとつひとつの関節を動かすと、代償運動が起こりにくいので、その関節の状態( 可動性 可動域 )がわかります。
また体幹が安定していると、複数の筋肉が協同して働くので、特定の筋肉や関節に負担をかけて痛めることを予防できます。
*ピラティスは 体に集中します
ピラティスの運動は単純な小さな動きです。
その小さな動きの中で
「どの関節が動いて、どの関節が動かないのか」
「どの筋肉を、どのように使うのか」
このように意識し、自分の体に集中することで、目標とする筋肉を的確に鍛えます。
*ピラティスは ゆっくり正確に動きます
ピラティスは、はずみ や 反動を使わず、
深いゆっくりとした呼吸に合わせて、
ゆっくり、正確に、コントロールして動きます。
それによって、アウターマッスル インナーマッスル コアの筋肉を
バランスよく、的確かつ効率的に鍛えます。
*ピラティスは 自分で難易度を決めます
ピラティスのレッスンでは、エクササイズの動きを分解して、体幹の動き、腕の動き、脚の動きなどに分けて練習し、最後に完成形のエクササイズを行います。
その際にも
「腰に不安がある方はこの動きで」
「肩が痛い方はこの動きで」
「この動きが難しい方はこちらの動きで」
「脚が痛い方は、上半身だけ動かして」と
ご自分の体の状態に合わせて、エクササイズの難易度を選んでいただきます。
これは「モディフィケーション」と呼ばれるピラティスで用いられる方法です。
それによって 初心者から上級者まで、また 体に不安のある方でも、
無理なく、安心して、ピラティス を行うことができるのです。